納付書の事前送付の取りやめ
国税庁は、令和6年5月以降に送付する分から、e-Taxにより申告書を提出している法人等については、納付書の事前の送付を取り止めると公表しています。
これまでは、法人の決算申告にあたっては、申告月の初旬や前月末頃に、税務署、都税事務所、市役所から納付書が届いていましたが、これを今年の5月以降は取り止めるということです。
なお、都税事務所は今のところ納付書・申告書の送付が続いていますが、法人市民税については市町村によってはすでに納付書・申告書が送られなくなっています。
(1)e-Taxにより申告書を提出している法人
(2)紙の納付書を使用しないで納付している法人・個人
e-Taxを利用している、または、インターネットバンキング等で納付している法人等には、納付書は送られてきません。
また、来年からは紙の申告書を提出した場合に、控えに収受印を押さないと国税庁が発表しています。これにより、e-Taxでの申告がさらに増えることが見込まれており、納付書の事前送付の対象法人はほとんど無くなるのではないでしょうか。
源泉所得税の納付書については、毎年12月頃に翌年分が送られてきていますが、この源泉所得税については、今のところは引き続き、税務署から納付書が送られてくる予定となっております。
法人税の中間納付(予定納税)についても、納付書の事前が取りやめとなります。
今までは、税務署から納付書が届くことにより中間納付の時期を確認していた会社もかなり多かったのではないでしょうか。今後、納付書が送られてこなくなった場合に、中間納付の納付漏れが増えることが見込まれますので要注意です。
なお、消費税の中間納付については、源泉所得税と同様に当面は納付が送られてくることが予定されています。法人税と消費税により対応が異なることでも混乱が生じると思われます。
このように、時期の違いはあるものの税務署から送られてくる書類は年々減っていき、最終的には全て電子化されることが予想できます。会社としても納付期限や申告期限の管理は、従来と切り替えて電子データで確認することが求められてきますので電子化への対応が必須となります。
令和6年4月1日以降、申告データをe-Taxで送信する際に、「自動ダイレクト」を選択して送信すると、申告データの送信と併せて「ダイレクト納付手続き」が自動で行われるようになります。
これにより、これまで申告データの送信後に別途行う必要があった「ダイレクト納付手続き」を省略することができるようになりました。