年末までにやるべきこと
令和5年も残すところ、あと1ヶ月ほどとなりました。
令和5年も残すところ、あと1ヶ月ほどとなりました。今年分の所得税や、将来の贈与税・相続税に関して無理なく節税できることがあれば、やり残しがないようあと1ヶ月の間に確認をしましょう。
1.年末調整
(1)配偶者控除、扶養控除の確認
会社は、年末調整の用紙に記載された扶養情報を基に令和5年分の所得税の計算を行います。扶養関係の記入に過不足がないか再確認しましょう。
なお、扶養親族が亡くなられた場合は、亡くなられた年までは扶養控除を受けることができます。年末調整の用紙には名前を記入し、かつ、備考として死亡した事実を記載するのが良いでしょう。
(2)住宅ローン控除
住宅ローン控除は、初年度は確定申告が必要になりますが、2年目以降は会社の年末調整で処理することができ、確定申告する必要はありません。
その際は、年末残高証明書と税務署から送られてきている住宅借入金等特別控除申告書(令和5年分)を、年末調整の用紙とともに会社に提出しましょう。
源泉徴収票が12月中にもらえる場合は、源泉徴収票を基に計算すると正確な寄附限度額を把握することができます。
3.小規模企業共済
個人事業主や、法人の役員は、小規模企業共済という共済制度に加入することができ(会社規模等の要件あり)、その共済掛金は支払った年に全額所得控除として控除を受けることができます。掛け金は月額千円から7万円までで、1年分前納することも可能です。今年分から加入を検討されている方は早急に手続きが必要です。
110万円(贈与税の基礎控除)を超える贈与を受けた場合には、贈与税がかかります。贈与税は暦年(1月~12月)単位で考えますので、今年分の贈与がまだの方は、いまからでも間に合います。
会社の株式の贈与を検討されている場合は、一度に多くの株式を贈与すると多額の贈与税がかかる可能性があります。毎年少しずつ移転させたい場合は、1年でも早く贈与を始める方が得策です。
5.相続時精算課税制度(生前贈与の特例)
多額の現金や株式を一度に贈与する場合は、通常の贈与では、多額の贈与税がかかります。相続人や孫への贈与ならば、「相続時精算課税制度」という生前贈与の特例が利用できます。この制度では、将来の相続時には再計算が必要となりますが(相続税の計算に含める)、贈与時には2,500万までは贈与税はかかりません。
また、来年からは改正により、「相続時精算課税制度」にも基礎控除110万が創設されるため、この制度の利用を検討される方が増えることが見込まれています。
年末までにというわけではありませんが、墓地や墓石、仏壇、仏具など、相続税の計算上非課税財産とされているものは、生前に購入しておいた方がその分現預金を少なくすることができ、相続税の負担が少なく済みます。
これ以外にも、生命保険金のうち相続人の数×500万円は非課税となりますので、相続税がかかることが見込まれる場合には検討することをお勧めします。