インボイスに関する経理処理
消費税額の増加のみならず、事務量の増加に伴う人件費等の増加も避けられません。少しでも緩和するために、事前の準備が必須です。
●簡易課税制度を適用しているか否か
消費税は、売上に係る消費税から仕入に係る消費税を差し引いて、納める消費税を計算しますが、簡易課税制度を適用している場合は、売上に係る消費税額のみから納める消費税額を計算することができます。こういった事業者は、仕入の請求書や領収書がインボイス対応かどうかを考える必要がありません。
●仕入先・外注先のリストアップ
経理処理が異なる為、毎月の経理入力時にインボイス対応を確認しているようでは多大な時間がかかります。請求書等を対応・非対応に分けて経理入力する方が効率的です。その為、仕入先・外注先がインボイス番号を取得しているか確認し、区分したリストを事前に作り準備しましょう。
例) インボイス番号 あり ⇒ 従来通りの経理処理
インボイス番号 なし ⇒ 特例規定の経理処理(8割特例)
また、会計ソフト上で「仕入」や「外注費」という勘定科目に補助コードをつけて、
例) 仕入(インボイス対応) 、 仕入(インボイス非対応)
というように、区分をしておくと管理上分かりやすくなります。
●インボイスの修正・再発行依頼
これは、インボイス制度が開始されてからの処理になりますが、インボイス番号の記載はあるが消費税率の記載がない場合など、記載内容に不備がある場合には、仕入先に修正・再発行を依頼する必要があります。
(制度開始後、不備がある請求書等も散見され、対応にも時間を要すると予想されます。)
●インボイス非対応の領収書・請求書への追記
免税事業者が発行した請求書や領収書については、一定の事項(税率ごとに合計した税込価格など)が記載されている場合には特例規定が適用できます。
免税事業者からの領収書・請求書等については、受取り側で一部追記することが認められており、特例規定を使うために作業が追加される可能性があります。
●領収書等の区分け
円滑な経理処理のために、インボイス対応と非対応の領収書を分けて保管することをお勧めします。